筆者の生い立ちでも述べましたが、思い返せばチタンとの出会いは「ルナチタニウム」に遡る訳ですが、実際に大学でチタン合金を研究し、会社に入って実際にチタン合金を製造する様になった事で、確かに優れた金属だとは思うが、とてもガンダムの装甲なんて無理、正に絵空事と思う様になりました。仕事にすると、現実を見据え目の前の事をこなす毎日が続く中で、夢の様な事を考える余裕は無くなっていました。しかし、50を過ぎこれまでの自分の人生を振り返ってブログにでも残そうと思った時、現存する技術でガンダムの装甲をチタン合金で造る事は可能かどうか真面目に考えてみようと思い始めました。

RX78-2 ガンダム

モビルスーツの装甲材料に加工するには、筆者の経験上、一般的に考えて様々な強化元素を混ぜ合わせて溶かし固め、様々な形に加工する必要があります。鍛造、圧延といった加工方法に加えて、最近ではAM(Additive Manufacturing:積層造形 3Dプリンターと言った方が判りやすいかも知れませんね)法で直接複雑な形状を造形する手法が主流になりつつあります。

3Dプリンター(イメージ図)

しかし、上記の様な方法ではとてもあのシーン、至近距離から撃たれたザクマシンガンの弾を跳ね返す様な装甲は無理だと思います。

何故なら、後で述べますがとても必要な強度が得られないからです。では、やはり何か画期的な技術の開発を待たないといけないのか?と思って調べていくと、現存する技術を合わせれば可能かもしれない!事が判りました。これから述べる事は筆者の勝手な思い込みも多々あるとは思いますが、そこはご勘弁下さい。